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あんまりびっくりしたんでちょっと雑文でもと。


一枚の紙切れを手に魔理沙は走る。
その表情はテストで満点をとった小学生のような自信に満ちた表情だった。
これから親に報告に行く、あわよくばおもちゃでも強請ろう…そんな様子だった。
「セル!セルー!!」
大声で名前を呼ぶ。その大声に驚く者たちを微塵も気にせず呼び続けた。

「なんだ騒々しい。」
後ろから探していた者の声が聞こえた。
反射的に振り向くと果たしてそこにセルの姿はあった。
普段ならまた瞬間移動で人をおちょくっているのかと問いただすところだが、今の魔理沙がそんな些細な事に思慮を割くはずがなかった。
「やっと見つけた!ホラ、これ見てくれよ!」
またいつも通りの文句が返ってくるだろうと予期していたセルにとって、魔理沙の反応は予想の範疇を超えていた。
嬉しそうに紙切れを手渡そうとする魔理沙を訝しげに見つめながらもそれを受け取り、読み始めた。
どうやら内容は今日の対戦結果のようだった。

「……ほう。」
紙切れに書かれた文章を読み進めるうちに、セルの表情は訝しげなものから楽しげなものに変化した。
サイヤ人特有の強敵を前にした時の悦楽に浸っているそれだった。
セルの表情を確認した魔理沙は得意げに説明し始めた。
「ストレートで真豪鬼さんに勝っちゃったんだぜ!…そりゃ強敵だったし宣言使ったけどさ。でも…!」
一瞬詰まらせた言葉をセルは瞬時に汲み取り、代わりに続けた。
「宣言しようがそれを含めてお前の実力だ。お前の勝利は覆らんさ。」

魔理沙は驚いた。あのセルが素直に自分の勝ちを認めてくれるとは思っていなかったからだ。
あれだけ遠かった存在にほんの少しは近づけたのかと思うと、嬉しさと安堵感で全身が満たされた。
「…!」
安堵感故か魔理沙は自分達の、決して円満とは言い難い関係を忘れていた。
自身の体にしがみつく(あるいは抱きつくと形容した方が妥当かもしれない)少女にどのような態度を取るのが適切か、セルは優秀な人工脳で瞬時にはじき出した計算結果に従った。
「あっ…。」
優しく少女の頭部に手を置いた。
拒絶、破壊という暴力的且つセルらしい選択肢を切り捨て、優秀な知能が最善だと判断した行動である。
破壊以外の目的で他者の頭部に手を置くことのなかったセルにとって不思議な感覚であった。

「…あ、や、悪い…。どうかしてた…。」
自身が拒絶するまでもなく、少女はすぐさまセルを拒絶した。
自ら求めておきながら、自分よりも先に拒絶する少女の思考にセルは「疑問」を覚えた。
「照れ」という感情をセルは理解できていないが、それを知ってか知らずか魔理沙はそれを隠そうとした。
仮に知っていてやったのならば、きっと彼は笑うだろう。無意味だ、と。

「えっとえっとえっと…そだ!力試しさせてくれよ!」
「照れ」を隠すにしてはあまりにも浅はかではあるが、他者の怒り以外の感情への関心が薄いセルには十分通用する提案だった。
「いいだろう。手加減はいらん。」
先ほどの「疑問」が瞬時に吹き飛ばされるほどの提案に、セルは嬉々として応じた。

68499ed4.JPG




「うわあああ!くぅぅぅまだ駄目か…!!」
1ラウンドは取れたものの魔理沙は地に膝をついた。それだけセルという存在がまだまだ遠くにあるということを痛感させられた。
「以前よりも攻めるようになったな。だが、単調な攻めでは崩せんぞ。」
セルはとても嬉しそうな顔で魔理沙に手を差し出した。
その喜びは成長した魔理沙に勝ったことではなく、彼女が着実と自分を殺す力を付けつつあることに対するものであった。

魔理沙はよろよろとセルの手を掴みながら立ち上がると前から抱いていた疑問を投げかけてみた。
「セルはこれ以上強くなろうと思わないのか?」
魔理沙は当然「思う」と返されるものだとばかり思っていた。それか弱い相方に合わせてやっているんだ、と嫌味が返ってくるはずだとばかり思っていた。
だが、実際の返答は二者とも異なるものだった。
「そうだな。私の体の半分を吹っ飛ばす者が現れれば、考えてみよう。」

突飛な答えに唖然とする魔理沙の顔を見て、セルは言葉を付けたした。
「お前に言ってるんだ。私の体を吹き飛ばせ、と。」
「いやいやだってお前、この前マスパで吹き飛ばしたらキレたじゃん!矛盾してるぜ!!」
セルはあきれながら言った。
「あれはギャグだったということもあるが、お前に華を持たせてやったんだ。本気にしてたか?」
決して本気にしていたわけではないのに余裕を持った態度で改めて聞かれたことにより、魔理沙の腸が煮えた。

「半分といわず全部ぶっ飛ばしてやる!」
そう言い放ち、顔を真っ赤にしながら一人で家に向かって走り去る魔理沙を見ながらセルは笑った。
「(帰る家は一緒だというのに…。面白いやつだ。)」
この分ならいずれは自分の望み通りに成長してくれるだろうと確信した。
ただ、修行という形で自身を鍛えたことのないセルが、修行によって強化された魔理沙に蹂躙された後はどのように鍛えればいいのかという疑問が生じた。

「(そうだな。一瞬にして全身を吹き飛ばすというならそのまま死んでやるのも悪くはないかもしれんな。)」
成長した魔理沙の姿と、自分の死に様という栄枯盛衰の対照的な姿を想像しながらセルはほくそ笑んだ。


<あとがき>
うちのセルは死にたがり屋で魔理沙は煽り耐性が低い。(ここ重要)

くっつけようとすると途端にセルさんが無機質になります…。
戦いに足枷となる感情は搭載してないんじゃね?的な前提条件が元に成り立つ話ですね;
原作セルがよくわからんですorzもっと感情豊かだったらごめんなさい。
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