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…セルハラorz
案の定健全セル魔理です…。


病院の真っ白な壁を眺めながらぼぅっとする。
こういう機会でもなければ自分には一生無縁などころだとセルは思う。
彼女が無事かだとか生きているのかとかそう言うことよりも、ただここでぼぅっと座っているだけでいいのかと不安に思う。
「医者はここで待っていろと言ったんだ。それでいいはずだ。」
完全体となり、欲しいものをすべて手に入れたと思っていたが大きな誤算だった。
「ふん、完全体か…。」
自分の力では彼女を壊すことはできても治すことはできない。
だが、完全体の自分から見たらゴミのような弱さのそれ、医者には可能なのだ。魔理沙を治すことができるのだ。
「あれほど軽い命ですら自在に操れんとはお笑いだな。」
改めて創造の偉大さを痛感する。
暴力こそが至高の力だと思っていた。それさえあればできないことはなにもないと。
「ゲロは…素晴らしい力を持っていたのかもしれん。」
自分だけではなく、多くの命を作り出した。
生み出すことなど自分の分身で手いっぱいのセルよりも優れた部分を持っていたと言える。
たとえ自然の摂理に反した行為だとしても。
「ゲロが生きていたら…私はあいつを頼ったのだろうか…?」
17号や18号、ゲロ自身のように魔理沙をアンドロイドにしてもらおうとすがったかもしれない。
パーツが足りなければ自分の四肢、臓器なども差し出したかもしれない。

そこまで考えてセルは笑う。
「ふふっ、あいつのなにが私にそうさせるのだろうな…。」
良い意味でも悪い意味でも吸収以外の目的で弱者に干渉しようとは思わなかったこの自分が。
弱者を「個」として見たことのない自分が魔理沙だけは「個」として、魔理沙という一人の人間として存在を認めた。
「さて、そろそろ手術とやらが終わるころだろうか。」
もしも魔理沙の目が二度と開くことがなかったら?
怖いとも不安とも思わない。だが、きっと退屈だろうとセルは思う。
「退屈させないでくれよ…?」
することがなく、退屈な自分はどうするだろう?
新しい遊び相手でも探しに行くのだろうか?目を開けることはないとはいえ心臓は動いている魔理沙を置いて?
「複雑な定義は言語学者に任せたいところだが…」
そんな無防備な状態で心臓が止まるまでずっと、ただひたすら横たわっていなければならない彼女を置いて自分は行けるのだろうか?
仮にその状態の彼女は守ると決めていても、そのまま死んでしまっていたら死体は見捨てるのだろうか?
「ふぅ…。下らん定義など必要なかったな。」
彼女が元気になって自分と拳を交えようとも、後遺症が残り笑うことができなくなろうとも、二度と目を開けることなく横たわったままだろうとも、すべての機能が停止し冷たくなってしまっても、

傍に居てやればいいじゃないか。

ただそれだけでいい。
定義だとか何をしたらいいだとか、そんな複雑な思考は必要ない。
傍にいるだけでいいのだから。考える必要もないのだから。
「使い物にならぬ弱者の死体に、完全体の私が永久に寄り添うと聞いたらゲロのやつはどんな顔をするだろうな?」
壊して蹂躙するためだけに生み出された自分が、征服という生みの親の目的を果たす上で全く利用価値のない少女、もしくはその死体の守護者になると言い出すのだから発狂してしまうかもしれない。
だが、セルはそれで良いと思った。力というのは壊すためだけに使うものではないということを魔理沙に出会って知った。
「むしろ守ることに特化する方が強いのかもしれん。孫悟空や…その息子がそうであったように。」
強くなって、更に自分のしたいこともできるなんて一石二鳥ではないか。
その代り自分はどんどん死ねない体になってしまうが…。
「殺してくれる者もいなくなり、魔理沙を守るためだけにどんどん強くなっていく…か。一石二鳥ではなく二兎追うものは一兎も得ずの方だったな。」
死ねないということは逆を返せば一生魔理沙を守れるということである。
ただ単に、目的が「死ぬこと」から「守ること」に変わっただけだと思えばなんの苦痛もない。

自分の考え、したいことが纏まり晴れ晴れとした気持ちで魔理沙を待つ。
するとタイミングを見計らったかのように扉が開く。
「やぁ。」
普通に二本の足で立った魔理沙がそこにいた。
その様子を見て安堵する気持ちを抑えつつ、そっけなく答えた。
「ふん、あれくらいでは死ななかったか。しぶとい奴め。」
セルの態度に魔理沙は腹を立てる。
「なっ!普通もうちょい相手を労る言葉を掛けるだろ、てめえええ!!」
暴れ出そうとする魔理沙を医者が抑える。
「覚えてろ…。退院したらボッコボコにしてやる…。」
医者に連行される魔理沙を見守りながらセルは笑った。
「あの調子なら当分私の目的は「死ぬこと」のままでよさそうだな。」
皮肉で纏めたつもりが心の底では魔理沙の無事な姿に驚喜している自分に驚く。
「…やつの私に対する人間化計画に毒されすぎたか…?」
人造人間が人間になることなどできるはずがないし、淡い期待を抱いているあいつ自身も滑稽だと言い聞かせながらセルは病院を後にした。


<あとがき>
シリアスめですね。
老いることもない永遠の命のセルさんが、大好きな戦闘を放棄して死体守をしようとするというなんとも面妖なお話でした。

セルさんは徐々に人間らしさを持ってきてるんですが、本人がそれを認めたがらないというツンツン仕立てでございます。
決して相手の前じゃデレねえ!という意地でもあるんでしょうか?あるんでしょうな。

人間化計画のくだりはこちらをご覧くださいませ。
要訳するとセルさんが人間(性を持つよう)になったらカップルが誕生するかもしれんという雑文。(要訳つか意訳だなw)
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