Peas in a Pod

はぴつりの「Peas in a Pod」でゲロ＋セルをやってみようなんて考えた私乙。ポッドの要素皆無だけど原作のタイトルがポッドなだけでねｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ
あとゲロは生身ということにしておいてください。
精神有害描写注意↓

薪割りをしながらドクターゲロは思った。
「老体に薪割りは堪えるな…。」
額の汗をぬぐいながらふと、以前作りかけのまま放置していた人造人間のことを思い出した。
斧を放り投げると、早速人造人間の生成に取り掛かった。
「しばらく栄養を与えねばならない。その間の薪割りがめんど」
カプセルに背を向け愚痴を垂れていると背後から爆発音が聞こえた。
慌てて振り返ると、そこにはまだ未完成のはずの21号が完成された姿で立っていた。
「なっなんと…！！」
このまま養分を与え続けても四足歩行の幼虫が生まれるはずだったのだが、それすら通り越し完璧な姿で生まれた21号がゲロの前にいた。
ゲロにとってこれは嬉しい誤算だった。
使い物にならなければまた新しいものを作ればいい。

「お前に最初の命令を下す。薪割りだ。薪割りをして来い。」
21号の目はどこか虚ろであったがゲロはそれに気づかなかった。
彼は言われたとおり庭に向かって歩き出す。だがその歩調はひどく遅いものであった。
ちゃんと命令通りに働くか不安を覚えたゲロは、しばしの間21号の動きを見守った。
ゆっくりと斧を手に持つ。そして振り上げ薪に打ちつける。薪が割れる。
命令通りに動いた。成功だ。
それに気をよくしたゲロは21号からすっかり目を離して存分にくつろいだ。
不定期に鳴り響く薪割りの音をバックに読書する。

唐突に気の割れる音に紛れて生々しく肉が裂け骨が割れる音が聞こえた。
その音の直後に何か大きなものが倒れる音が聞こえ、以後静寂が続く。
不思議に思ったゲロが顔を上げて見る。すると斧を握ったままかつての右足だったししむらを辺りにぶちまけ、無様に倒れている21号の姿があった。
ゲロはその光景に失望した。やはり突然変異というものはどこかに歪を生じさせるのだと。
だが、そのゲロの失望を撤回させたるような奇妙な出来事が起きた。
本体の右足が再生しているのだ。
よもやそれほどの生命力が備わっているとは思いもよらなかった。
それだけではなく、ぶちまけたししむらからも本体が生えてきた。
つまり21号が二体に増えたのだ。

これにはゲロも狂喜した。
体の一部をもぐだけで従順な奴隷がもう一体増えるのだ。
わざわざ新しい人造人間を作る必要がない。
ゲロはほくそ笑みながら二体の21号に薪割りを続けるように命じた。
たびたび薪に振る斧を相手の体に振るうようにも命じた。

青い血しぶきと肉くずと粉々の骨が塵のようにあたりに散開する。
それらは全て新しい21号を生成するための残りかすなのだと言わんばかりに散らばったパーツに比例し、彼らは数を増やしていく。
文句も悲鳴すらも上げずに、彼らは自身をばらまきながら斧を振るう。
ゲロの言う突然変異の歪がこの無感情を指すなら、彼にとってこの欠陥はむしろ好都合であった。

日に日に彼らは数を増やし、薪割りだけでなくゲロの身の回りの世話すべてを担うようになった。
料理洗濯は勿論、庭の掃除や窓拭き、果ては車代わりにもなった。
当然郵便の類も彼が受け取る。
ただ、悲しいほど知能のない彼が窓拭きの最中に郵便屋と顔を合わせようものなら、間違えて郵便屋の顔を拭いてしまうだろう。彼の持ちうるありったけの力で。
庭の掃除をしている最中に回覧板などが回ってこようものなら、間違えて主婦の背中を竹箒で掃いてしまうだろう。彼の持ちうるありったけの力で。

こうして彼らは無意識のうちに多くの人間を殺めていった。
この事態はたちまち民衆に広がっていった。治安維持のため行政も動いた。
だが、彼らには銃も毒ガスも戦車も効かなかった。
だんだんと人間の数が減り、それに反して彼らが増えた。
街中でも人々の死体より彼らの壊れた肢体の数が目立つようになってきた。
賑やかなおしゃべりももう聞こえない。聞こえるのは肉が裂け骨の砕ける音ばかり。

言語を解することができるものはドクター・ゲロ以外にもういない。
この星に存在するのは血も涙もない偽りの創造だけ。


＜あとがき＞
ここまで「」が少ない雑文は初めてですw
落とし方がようわからんので中途半端に終わりましたーorz
はぴつりの方は実にアニメらしい終わり方だったんでシリアスめな雑文には反映できねえというorz

彼らは何だってするよーってところで「車の代わり」と書きましたが、原作準拠で車のタイヤと書きたかった…！
ただそれだとギャグっぽいからやめました。車の時点で十分ギャグですが…；

命令を淡々とこなすだけで感情がないとか普通はエロに走るもんなんだろうか…？
血の通ったダッチ的な？うーんわからん…。
鉄－Rさんどっちかというと血の通ったサンドバック派なんだよネー。
よく下ネタ言う割にその意気込み(?)が二次創作にあんまり反映されてない気がする…。もっとエロく生きよう私！