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DBの悪役中心ブログ。 グロだったりBLだったりエロだったりネタバレだったり夢絵・文だったりキャラがコスプレしてたりパラレルだったりが容赦なく置かれているブログですので閲覧注意です。
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学パロ。
ようやく薬屋が出せるお。



「先生…。普通バスなり電車なり使って行くもんですよね、社会科見学って…。」
思わず不満がこぼれ出る。
「普通の社会科見学ではない。訪問先のクレイジーさでわかるだろう?」
「確かに法に触れるとか言ってましたけど…。それにしても舞空術で行くなんて思わなかったです…。」
クウラにとっては苦痛ではないらしい。
「それにこちらのほうが早いしな。」
と笑ってみせる。
「のんびり周りの風景を見ながらって言うのも悪くないと思うんですけど…。」
「なるべく早く済ませたいからな。そうのんびりしていられん。」
そういうとスピードを上げる。慌てて悟飯も加速する。
「ところで薬屋さんっていうのはどういう方なんですか?」
「そうだな…昨日の電話で自信がなくなったが…昔はかなり凶暴で知性が欠けていたな。」
悟飯は身震いする。クウラに凶暴と言わしめるとは本当に危険な存在なのだろう。
悟飯の様子を見てクウラはなだめるようにこう付け足す。
「だが、かなり理性と知性をつけていた。昨日の電話ではな。」
「じゃ、じゃあ・・・。」
安堵する悟飯。
だがクウラは警戒を怠るな、と告げる。
「何をされるかわからん。奴の考えてることは俺には分からない。」
「ううう…もしかして先生より強いんですか…?」
クウラは苦い顔をして「ああ」とだけ答えた。
「あっ、ヒルデガーン!先生のペットなら…」
クウラは表情を変えずに「わからない」と答える。
「以前の奴なら確かにヒルが上だ。だが、今回のはわからない。」
予想外の言葉に悟飯は絶句した。
あの化け物と渡り合えるどころか勝機が見込めそうな生物がいるのだという現実に唖然とした。

しばらく沈黙が続き何か話題を出そうと模索する悟飯。
だが先に口を開いたのはクウラだった。
「もう着いたぞ。やはりこっちのほうが早くていい。」
一軒の古い民家の前に降り立つ。
そして躊躇なく戸をあける。
「俺だ。いるか?」
家の中には生物の気配が全くなかった。
「留守…ですか?」
クウラは首を横に傾げる。
「おかしいな…。そんなはずは…。」
「なるほど彼が生徒か。」
唐突に後ろから声が聞こえる。
そこにはピンクの皮膚をもった二足歩行の生物がいた。
「きさ…まっ…!セルのような悪趣味な真似を…」
ピンクの人物は笑う。
「それはセルがパクったのだろう。昔の奴のスピードじゃ寝ていても気づく。」
「ふん…貴様ならな。厭味な奴め…!」
クウラを無視してピンクの人物は物思いにふける。
「そうか…私のまねごとをするほどのスピードにはなったのか…。成長が目覚ましいな…。」
クウラは笑いながら首を横に振る。
「強くなったといってもまだまだ二流だ。お前はもとよりヒルにも勝てんな。瞬殺だ。」
「そうか、たいして変わっていないらしいな。」
少し残念そうな顔をしてみせる。
「俺から見れば十分強化されてるが、お前から見たら容姿のほうに目が行くかもしれんな。」
「それだ!そういえばあいつ昨日の電話でふざけたことを言ってたな。本当にモテてるのか?」
思い出したかのように叫ぶ。
「女子生徒には人気だな。顔は悪くない上にフェミニストだから。」
クウラはつまらなそうに吐き捨てる。
「顔って…そこまで変わったのか…?」
「え、セル先生って昔はもっと違う顔だったんですか?」
なんとかして会話に加わろうと悟飯が相槌を打つ。
今のセルしか知らない悟飯と昔のセルしか知らないピンクの人物。唯一両方知っているのはクウラだけ。
「そうだな…昔は虫を二足歩行させたようななりだったんだ。そして今はまあ依然として虫だがだいぶ人に近いなりになった。」
ピンクの人物は驚きのあまり開いた口がふさがらない様子だった。
「しかし…あいつ何に目覚めたんだ…?」
あきれた様子でクウラは答える。
「なまじ顔がよくなり品性が身に付いたからと言って生徒漁りばかりしているぞ。」
ピンクの人物は笑った。
「まさかセルに色気なんてものがあるとはなぁ!あいつは色気より食い気だろう?」
昨日の会話を思い出しクウラは笑う。
「きゅうりのことか?…くくく」
「まあそれもだが、あいつは食えば食うほど強くなったろう?」
魔法が解けたかのようにクウラの顔から笑いが消える。
「そうだ思い出した。漁った生徒を食っている。昔みたいに丸呑みじゃない。大勢から少しずつ摂ってやがる。」
「知恵がついたな。丸呑みだとあいつの職業上あとあと面倒だからな。」
「ああ、ヒモと一緒さ。寄生相手が枯渇するまで吸い続け…」
言葉の途中だがふと視線を感じその方を見てみると、悟飯がこちらを見つめていた。
退屈だと訴えかけるような視線だった。
ピンクの人物は申し訳なさそうに頭をかきながら彼らを家の中に招き入れた。

「おじゃまします。」
家の中には得体のしれないものが大量に置かれていた。
そのどれもが無機物ではなく有機物であるというのがクウラの部屋との大きな差異だった。
「(これ…腕!?)」
博物館などでも見ることが稀な珍獣のミイラのようなもの、無造作に置かれた白骨。
「これが薬の材料さ。」
ピンクの人物は悟飯の目の前にある動物の骨を取り上げると握りつぶす。
「な?」
ニッコリ笑いながら握った手を開くと、クウラに見せてもらった例の薬と瓜二つの粉末が現れた。
「こ…これが薬…!!」
クウラは例のものについての説明を仰ぐ。
「おい、ブウ。例の強化版の説明をしろ。」
「強化版なんてあるんですか?」
ブウは既に梱包されている薬をクウラに投げ、説明を始める。
「原料は…ある宇宙人の骨。」
「ほう、宇宙人か。」
ますますクウラの興味をそそった。
「その種族について教えることはできない。教えればおまえは…」
反射的に吐かせようとしたクウラだが、とっさにある種族の名前が脳裏をよぎる。
「…まさか」
ブウはにっこり笑う。
「お前の考えている種族で合っている。」

サイヤ人

惑星ベジータに住む凶暴な種族。

彼らについて説明するとなるとハーフである悟飯の手前、言葉を濁さざるを得ない。
かといってクウラの一族がかつて支配していた種族とでも言おうものなら隠していた家業が悟飯にバレる。
だからと言ってセルの好物などとクウラの機嫌を損ねる言葉をわざわざ選ぶのもビジネスの通りに反する。
ならば選択肢は一つ。
喋ることに対してのリスクを匂わせながら濁すことである。そうすれば勘のいいクウラなら察するだろう。ブウはそう考えた。
悟飯への説明はクウラ自身がうまくやるだろう。

材料を聞いて購入意欲が減退した。
「残念だが…」
断ろうとするクウラの言葉を遮ってブウは言う。
「そういうと思って食ってしまった。」
「は?」
唖然とするクウラに自身の着ているジャケットを指し示す。
「せっかく捕まえたが食ってしまった。私は食ったものの一部が体に反映されるんだ。」
ジャケットの持ち主はブウの体内にいるという。
「貴様らは…!!」
クウラは呆れた。食欲旺盛な化け物たちのマイペースさに。
「あのー…先生、宇宙人って…。」
すっかり質問するタイミングを失って困惑していた悟飯が恐る恐る口を開いた。
「ああ、そうだな…。先ほどブウが言葉を濁したのは言うと呪われる言葉を含んでいるからなんだ。そういう呪術に強い奴らがいる。」
大ウソ。
「奴らは自分たち種族の文明を守るため、種族名および文化を何らかの方法で他者に明かした者にある呪いがかかるようなまじないを施している。」
淡々と即興の嘘を吹き込んで行く。
「それは…おそろしいですね…!ちなみにその呪いとは…?」
「それも言えない。呪いの効果も文化の一部だからな。」
悟飯はただただ頷いた。自分が納得できなくても聞き出しようがないから。
クウラの対処にブウは目を見張る。
「(よく口が回るな。普段から隠し事をしなれていやがる…。)」

クウラは悟飯の肩を叩くとブウと話がしたいという旨を伝える。
悟飯は頷くと散歩をしてくると告げ、外出した。
「セルの話だな?」
悟飯の姿が見えなくなったことを見届けてブウが口を開いた。
「そうだ。ザンギャやターレスがなんとか排除しようとしているが正直俺にはどうしたらいいかわからなくてな。」
「なんだ、倒し方がわからないわけではないだろう?」
その問いにクウラは首を横に振る。
「半分違うな。お前はヒルを使えばいいと思っているだろうが、ヒルにはヒルの自由がある。俺が侵害できるものじゃない。」
「面倒だな。他にどうにかできるやつはいないのか?私以外に。」
クウラは少し考える。
「いる。少なくとも俺の知ってる中で二人。」
「頼めそうなのか?」
それに対して首を横に振る。
「一人は無理だ。奴は他者を見下している。見下している相手からの申し入れは受けんはずだ。もう一人は…」
「もったいぶるなよ。さっさと言いたまえ。」
「その喋り方セル見たいで腹が立つな。もう一人は倒せはしても殺せはしない。そんなやつさ。」
ブウは不思議そうな顔をする。
「甘いのか。」
「ああ、甘いんだ。ちなみに俺の教え子の父親さ。諸事情によりセルに向かってかめはめ波を撃たせたんだが…あれは俺の目から見てもセルは赤子のようなものだったよ。」
「それで手加減してたってオチだろ?」
クウラは苦笑する。
「その通りなんだ。あのすさまじいかめはめ波で手加減をしていた、と言われた時には早々に仕事を切り上げて正解だったと我ながら思ったものだ。」
「お前の弟にも現実を見せてやった方がいいんじゃないのか?」
ニヤニヤと嫌味を言うブウにクウラは笑う。
「親父を含めてな。だがいいんだ。奴らが死ねば俺が一族を担える。何の障害もなく、な。」
あっさりと企みを暴露するクウラに腹を抱えて笑い転げた。
「おっかないねえクウラ。お前は本当に食えないやつだ。」
「とんでもない。俺は何も企んじゃいないさ。ただ、こう働いてくれるとありがたい程度にしか思ってない。」
「そうは言うがみんな駒ってことだろう?あの生徒以外は。」
その問いに言葉を詰まらせる。
「どう…だろうな。確かにあいつといると不思議なんだ。あいつには教えたくないことがたくさんある。特別な存在なのかもしれない。」
「ふーん、好きな奴に知られたくないようなやましいことがあるのか。」
皮肉を意に反さず、クウラはぼぅっと天井を見上げる。
「やましい…。汚い…。」
自信の隠し事をなんとか言葉で形容しようとしているらしい。
「地上げ屋じゃなぁ。確かに温室育ちのお坊ちゃんには言えないよなぁ。」
「たくさんの星を壊して、売った。気に入らない奴は星ごと木っ端微塵にしてやった。」
ブウは無言でうなずく。
「何百もの星から名前を奪って俺の名を冠することで支配下に置いた。欲しいものは何でも手に入った。」
「地球に来る前は、な。」
クウラは苦笑する。
「地球の美しさに魅せられてやってきたら、化け物の巣窟だったからな。おかげで足を洗うことができた。地球には感謝している。」
「運命の人も見つかったしな?」
首を横に振って否定する。ただ、その表情から満更でもないことは伺える。
「そんなんじゃない。ただ、俺に深い罪悪感を与えてくれている存在であることには相違ないな。」
ブウはからかい気味に言う。
「お前は昔からストイックだな。」
「今までの強欲さに対するせめてもの償いだ。」


<あとがき>
うちのクウラ様は好きな人は汚せないタイプ。
逆にセルさんは自分の手で汚したいタイプ。(迷惑)
プラトニック・ラブとHENTAI。
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悪役じゃないけど悟飯ちゃんも贔屓キャラです。
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