DBの悪役中心ブログ。
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エロもグロもない普通のセル魔理書いてる時は、どっかで「セルハラ」という言葉を目にしたんだと思ってくださいorz
「やあ」
「……。」
ぎこちない笑顔で帰宅した魔理沙と苦虫をかみつぶしたような顔で出迎えるセル。
「ただいま。」
「……。」
返答がない。
「なんか言おうぜ…?」
その言葉に対して魔理沙を睨みながらもようやく口を開いた。
「そっくりそのまま返そうか。それは何事だ?」
魔理沙の足を指さす。彼女は車椅子に座っていた。
「ちょっと事故ってこうなった。」
軽く答えながら手招きする。
玄関で口論しても埒が明かない。渋々彼女の合図に答えて車椅子を押してやる。
だが、当然この事態に納得している様子はなかった。
「車椅子だぞ!?少し事故っただけで乗るような代物じゃ…」
焦るセルとは対照的に、当の本人は気楽そうに答える。
「両足骨折だからなあ。大したことなくても歩けないから乗らざるを得ないんだよ。」
「なっ…両足骨折…!!」
セルの気も知らずに食卓に置かれたせんべいに手を伸ばそうとする魔理沙。
「届かな…いっ」
セルはその手からせんべいを遠ざけ、怒鳴る。
「真面目にしゃべれ!」
「真面目も何もふざけてなんかいないし、そんなことより私はせんべいを…」
このままでは平行線だと判断したセルはせんべいを一枚手に取り、魔理沙の口にねじ込んだ。
「しゃべれ、なにがあったか事細かに!」
魔理沙は普段横暴なセルが、なぜこうもしつこく追及してくるのか理解できなかった。
「箒から落ちたんだよ。笑えるだろ?足から落ちたからダメージが集中してこの様だ。」
普段のセルなら鼻で笑うはずだ。だから言いたくなかった。セルにバカにされるのが嫌だから。
だが、真剣なセルを茶化すことの方が後々恐ろしいことに繋がるということを魔理沙は理解していた。だからしゃべった。
しかし魔理沙の推測は杞憂に終わる。
「そいつは治るのか?後遺症の類は残るものなのか?」
気味が悪いほどセルの応対は、道徳・一般常識の観念から見て正しいものであった。
「治る。後遺症もたぶん平気。」
「ベッドへの移動は私だけで問題ないか。入浴はどうする?一人で入れんだろう?」
入浴と聞いて身の毛がよだった。怪我に託けてよからぬことを企んでいるのかもしれない。
だが、やはり杞憂であった。
「友人がいただろう。アリスだったか…?彼女に看てもらうといい。」
「(アリスに入浴の介護…?冗談じゃないぜ!)せっかくの心遣いだけどたぶん一人で入れるんだぜ…。」
「無理はするなよ。取り返しがつかないことになったら大変だからな。」
やはりセルに思いやりがあることが不気味でならない。
大方早く治して殺せるほどの力を身につけろと言いたいのだろう。なんの期待もしていないが本人の口から理由が聞きたかった。
「今日のセルさんは妙に優しいな?」
自身の奇行についての分析をしているのか、セルは暫し考えた。数十秒後、口を開く。
「慈愛…慈悲…ふむ、府に落ちん言葉だ。いや、慈悲の類か?本来慈悲とは楽を与える慈と苦を除く悲とをいう。」
「結論は?」
魔理沙の言葉が聞こえないのか淡々と分析を続けるセル。
「憐察、憐憫…哀憫、哀憐…ぬう…」
「なにそんなに憐れまれてるの私?」
顔を顰めながら脳内の辞書を繰り続ける。
「違う…もっと憐みの類とはかけ離れた……っぐぅ!?」
急にハッとした顔で叫び出すセル。その様子に驚く魔理沙。
「なにがどうした…?」
不安げに見つめる魔理沙。口元を押さえて黙り込むセル。
「これは…おそらく故障だ。私も完全ではなかったのだ。」
首を横に振り、自らが導き出した答えを必死に否定する。だが、魔理沙はその答えを知らない。
「なんだよ、私にも教えろよ!聞いてから故障かどうか考えてやるよ。」
セルは一瞬躊躇うと首をかしげ困ったような表情でポツリと呟く。
「…愛?」
「愛!?」
セルの口から零れ落ちたのは、彼とはおよそ無縁と思えたそれであった。
「定義的に間違いではないのだ。『相手のためによかれと願う心』これは愛の定義に当てはまる。ただ間違いなのは…」
「間違いなのは…?」
自分の頭のあたりをつついて見せながら言った。
「愛というものに抵触する感情が発動したことだな。ここの故障だ。」
こんこんと頭を叩く。同じリズムで魔理沙は彼の胸を叩く。
「むしろこっちの成長なんじゃないのか?誇っていいことだぜ。心が豊かになるって言うのはさ。」
「正気か?破壊と征服のためだけに生み出されたバイオロイドが…だぞ?」
戸惑うセルの手を握りながら微笑みかける。
「何言ってんだよ。お前は『セル』なんだ。兵器とかの類じゃない。セルって名前の…私のパートナー!」
「…っは…!」
自分の言葉以上に強烈な言葉の数々に思わずたじろぐ。だが、魔理沙は手を離そうとしない。
「いいか、ここまで言わせたんだからお前はもうバイオロイドとかじゃなくて人間として生きてくれよ?」
「私は人間として最低限必要なものがかなり欠落しているぞ…!それでも…」
握った手をさらに強く握り返しながら魔理沙は言う。
「それでもいいに決まってんだろ?私が責任もって立派な人間にしてやるよ。」
「人間になって何のメリットがゴニョゴニョいやなんでもない。」
メリット。確かにモチベーションの維持に繋がる重要な事である。
「そうだな、人間になってしたいこととかあるか?」
セルはその問いに冗談交じりで答える。
「人間になれたらお前の守備範囲に入れるのか?」
冗談で言っていることはわかっていたが、声に出して笑い出す魔理沙。
「バナナはおやつに入るのか論争並に何とも言えない感じだなっ!ギリギリ…?たぶんアリ…?」
期待していた言葉が聞けて嬉しそうににやりと笑う。
「その言葉覚えていろ。人間になったら…貴様程度の存在に落ちぶれたら口説いてやる。」
魔理沙もその言葉に嬉しそうににやりと笑う。
「楽しみにしてるよ。ま、落ちぶれたら私に殺されるってことに繋がるけどな。せいぜい首洗って待ってろよ。」
<あとがき>
まるでツンデレ(?)のバーゲンセールだな…。
うちのセルさんが機械的なしゃべり方する時は大抵テレ隠しです。ここテストに出ます。嘘です。
しかし魔理沙を車いすに座らせた意味がないって言うね!これ風邪とかでもよかったじゃん!
下書きしないから打ってる途中で路線がずれて、当初書きたかったものとは全く別物になるのはよくあること。
もっと魔理沙がわがまま言って(海に行きたいだとかの難しい要求)セルを振り回しまくって…って感じにしたかったのにせんべいっすかwしょべえw
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